2017年07月06日

ヤブカラシ〜蜜を求めて虫たちがやって来ます〜

 ブドウ科ヤブカラシ属のつる性多年草です。東アジアから東南アジアに分布し、日本国内では北海道(西南部)から沖縄まで、やぶ、荒れ地などに普通に生えています。ヤブガラシとも呼ばれ、藪を覆って枯らしてしまうほどの生育の旺盛さを示しています。
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 また、別名ビンボウカズラ(貧乏葛)とも呼ばれ、その意味としては、庭の手入れどころではない貧乏な人の住処に生い茂る、あるいはこの植物に絡まれた家屋が貧相に見える、またはこの植物が茂ったことが原因で貧乏になってしまう、などの意味に解釈されています。地上部を抜き取っても土中に根茎を残すと春から夏にかけて盛んに芽を出し、根は横に長く伸びるため、一度はびこって根茎が広がってしま
うと、その土地から完全に取り除くのは非常に難しい草です。
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 花は6〜8月ころに咲き、直径約5mmで萼は小さく、花弁は緑色で4個あり、雌しべを囲む黄赤色の花盤がよく目立ちます。朝開花し、午前中に花弁と雄しべが落ちると、花盤は淡紅色になります。花盤は蜜が豊富で、蜂や蝶などの昆虫がよく集まります。若芽は、茹でてあく抜きをすると、食用になります。
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2017年05月19日

ナヨクサフジ〜ヨーロッパ原産の外来植物〜

 マメ科ソラマメ属のつる性の草本です。ヨーロッパ原産の1〜2年草で、飼料や緑肥用に輸入されたものが野生化して、河川敷や堤防などに広がっています。茎はよく分岐して他物にまとわりついて広がり、長さ2mほどになります。農林水産省から、適切な管理が必要な産業上重要な外来種(産業管理外来種)に指定されています。
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 名前の由来は、クサフジ(草藤)は花序が藤の花に似て草本だからで、ナヨは茎が巻きひげで他物に絡みつき蔓状に伸び、なよなよしているように見えるからといわれています。
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2017年05月14日

アカツメクサ〜ヨーロッパ原産でデンマークの国花〜

 マメ科シャジクソウ属の多年草で、ヨーロッパや西アジア・北西アフリカ原産の草本です。デンマークでは「国花」になっています。日本には明治初期に牧草としてシロツメクサと共に入って来たもので、全国で野生化しています。花の名は、葉や紅紫色の花がシロツメクサに似ていることから名づけられました。別名をムラサキツメクサといいます。花言葉「豊かな愛」は、小さな花がたくさん集まって球形に咲くピンク色の花が一面に咲き広がることからつけられたようです。
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 ツメクサ(詰草)は江戸時代末期にオランダから送られてくるガラスの器を入れた箱に、乾燥したクローバーがいっぱい詰められていたことからつけられています。シロツメクサは地面を這うように伸びますが、アカツメクサは茎が長く伸びて上に立ち上がります。また、シロツメクサが花のかたまりの下に長い柄があるのに対し、アカツメクサは花のかたまりのすぐ下に葉があるのが大きな違いです。
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 子ども達は、シロツメクサと同じようにアカツメクサでも花飾りを作って楽しみます。たくさんのアカツメクサの花を編んでいくと、緑の葉がアクセントになり、シロツメクサとは一味違った素敵な花冠ができます。
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2017年05月11日

キュウリグサ〜キュウリのにおいがするので、胡瓜草〜

 ムラサキ科キュウリグサ属の雑草で、葉をもむと胡瓜(キュウリ)のようなにおいがすることからこの名がつきました。日本全土・アジアに広く分布し、道ばたや庭などに多くはえます。
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 秋に芽を出して、ロゼット状の葉の状態で冬越しをします。高さ15〜30cmになり、下部の葉は長い柄があり長さ1〜3cmの卵円形ですが、上部の葉には柄がありません。3〜5月に、茎の先に花序を出して直径約2mmの淡く青い可憐な5弁の花を次々に開きます。キュウリグサの花言葉は、『愛しい人へ真実の愛』だそうです。小さな花ですが、そっと覗いて見て下さい。
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2017年05月02日

セイヨウカラシナ〜カラシナの原種??〜

 セイヨウカラシナは、アブラナ科アブラナ属の2年草で、アブラナとクロガラシの雑種です。食用として導入されたものが野生化しました。関東以西,特に関西地方の河川敷などで大繁殖をしています。
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 栽培種のカラシナは、野生種のセイヨウカラシナに由来しています。油(菜種油)をとるためのものが「油菜」、野菜として栽培されるのが「花菜」、その花が「菜の花」、芥子をとるためのものが「芥子菜」と呼ばれ、ともにアブラナ科の植物ですが人間の都合でいろいろな名前が付けられています。
 セイヨウカラシナは、その名の通り「西洋芥子菜」です。開花前のつぼみを摘み取り、漬け物や浸し物にすると、野性味あふれる味わいがあります。おひたしにすれば、ピリリと辛いお総菜ができます。
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2017年04月27日

ヘビイチゴ〜無毒ですが、美味しくありません〜

 バラ科キジムシロ属の多年草で、畔道や野原などの湿った草地に自生し、アジア南東部から日本全土に広く分布しています。実が食用には適さず、「ヘビが食べるイチゴ」、「ヘビがいそうなところにはえる」といわれて、この名がついたと言われています。毒イチゴと言われることが多いのですが、毒はありません。茎は短く、地面をはって伸びていきます。葉の色は深緑です。
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 初夏に、葉のわきから1.5cmほどの黄色い花をつけます。花弁の数は5枚です。花が終わると、赤い球形の果実ができます。毒はないため食用可能ですが、ほとんど味がないため食用にされることはありません。ただ、ジャムに加工するのは可能だそうです。
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2017年04月06日

クサイチゴ〜草ではないのに草苺〜

 猪名川自然林の林縁で、白い花が咲いています。バラ科キイチゴ属の落葉小低木で、中国・朝鮮半島・日本に分布しています。日本では、本州・四国・九州に広く分布し、林地でよく目にすることができます。背丈が20〜60cmと低く、草本のように見えるためクサイチゴと呼ばれていますが、実際は木本です。生命力は強く、刈っても根から生えてきます。全体に短い軟毛が密生し、茎には小さな棘があります。
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 花期は3〜4月で、花は白色の5弁花です。花弁は卵円形で、長さは1〜2cm。花の中央にめしべが多数あり、その周囲にやはり多数のおしべがあります。果実は大型で赤熟し、食用となり、酸味は少なく、とても甘い味がします。
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2017年03月30日

カラスノエンドウ〜豆は小さいけれど、ソラマメの仲間〜

 マメ科ソラマメ属の越年草で、正式名称はヤハズエンドウといいます。一見するとソラマメの仲間とは思えませんが、よく見ると茎が角ばっていることと、豆のへそが長いというソラマメ属の特徴を備えています。原産地はオリエントから地中海にかけての地域です。古代にはエンドウなどと同じように農地で栽培されて、作物として利用されていたそうです。
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 現在では栽培植物としての利用はなく雑草として扱われていますが、若芽や若い豆果を食用にすることができますし、熟した豆も炒って食用にできます。また、未熟な実(さや)の両端を切り落として草笛として子ども達の遊び道具にもなっています。
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