2020年07月08日

猪名の里の花々31.ヨウシュヤマゴボウ〜ゴボウのような太い根〜

 ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属の多年草です。北アメリカ原産の帰化植物で、紅紫色の茎は2mほどになり、初夏から秋にかけて総状花序を作り、紅紫色の果実をつけます。在来種のヤマゴボウはヨウシュヤマゴボウより小ぶりで、茎は緑色です。根が太くて地中深くまではいっていてゴボウに似ていることがヤマゴボウの名の由来と言われています。ヨウシュヤマゴボウの「ヨウシュ」は西洋の種の意味なのです。根にはサポニンなどが含まれるため食べると下痢や嘔吐などの中毒を起こします。
DSCN0762.JPG  ヨウシュヤマゴボウ.JPG
 アザミの根がヤマゴボウという名で売られているため、ヨウシュヤマゴボウの根が食べられるものと勘違いして食べてしまい、中毒になるという事例がときどき起きています。しかし、実には有毒成分はほとんど含まれません。これは鳥に実を食べてもらうことで、種子の散布をしてもらう、この植物の生存戦略なのでしょう。 [花:2020年6月9日。実:2007年11月18日。猪名川自然林で撮影]
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2020年06月12日

猪名の里の花々30.センダン〜実を食べると食中毒をおこす〜

 センダン科センダン属の落葉高木です。世界の温帯に広く分布し、家具材として有名なマホガニーの仲間です。日本では伊豆半島以西の本州、四国、九州、沖縄に分布しますが、古くから暖地の各所に街路樹や庭木として植えられているので、天然分布区域は不明瞭です。成長が速く、ふつう高さ5〜10mですが、大きいものは高さ20m、直径80cmに達するものもあります。
DSCN0643.JPG  センダン2.JPG
 5〜6月に淡紫色の花を多数つけ、果実は10月頃黄色に熟しますが落葉後も木に長く残ります。果実の核は長楕円形で5〜6室からなり、各室に1個の種子がはいっています。種子でジュズを作っていました。「せんだんは双葉より芳し」という有名な言葉がありますが、これは白檀(ビャクダン)の中国名「栴檀」を「せんだん」と読んだもので、ここでいうセンダンとは異なります。センダンには白檀ほどの香りはありません。サポニンを多く含んでいるため、牛、羊、山羊、豚、犬、家禽と、ほとんどの家畜に中毒例があり、ヒトも食中毒をおこし量が多いと死亡することもあります。葉は肥料、殺虫剤や虫下しに用いられてきました。 [花:2020年5月19日。実:2011年11月1日。猪名川自然林で撮影]
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2020年06月03日

猪名の里の花々29.ヒルザキツキミソウ〜月見草なのに昼間に開花〜

 アカバナ科マツヨイグサ属の多年草です。北アメリカ原産で、大正末期ごろ観賞用として輸入・栽培されていたものが野生化し、中部地方以西で自生しています。宵に咲くツキミソウと違って、昼間に開花していることからこの名がついています。
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 草丈は30〜60cmくらいで、白色または淡紅色で直径約5cmの花を5〜7月に咲かせます。つぼみのときは下を向いているが、開くと上を向きます。花弁は4枚で、広倒卵形で基部は黄色を帯びています。雌しべの先端は十字型に裂けており、雄しべは8本です。花が白色のものも、しぼむと淡紅色になります。果実は日本では結実しません。  [2020年5月14日。猪名川堤防で撮影]
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2020年05月16日

猪名の里の花々28.ユウゲショウ〜夕方に化粧したような美しい花を咲かせる〜

 アカバナ科マツヨイグサ属の多年草です。南アメリカ原産で、明治時代に観賞用として移入されたものが野生化し、日本各地の道端や空き地になどに広く分布しています。5月から9月にかけて、茎上部の葉の脇から薄紅色で直径1〜 1.5cmの花をつけます。花びらは4枚で紅色の脈があり、中心部は黄緑色です。やや紅を帯びた白色の葯を付ける雄しべが8本あり、雌しべの先端は紅色で4裂しています。 熟した果実は雨に濡れると開き、種子が飛び散ります。
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 名前の由来は夕方頃に花を開き、白地に赤い化粧をしたような美しい花を咲かせることから「ユウゲショウ(夕化粧)」と呼ばれます。しかし、実際はほとんどが昼間から花を開いています。アカバナユウゲショウ(赤花夕化粧)とも呼ばれています。 [花:2020年5月4日。猪名川河川敷で撮影]
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2020年05月08日

猪名の里の花々27.ハナミズキ〜アメリカヤマボウシ〜

 ミズキ科ミズキ属の落葉高木です。北アメリカ原産で、日本における植栽は1912年に当時の東京市長であった尾崎行雄がアメリカのワシントンにサクラを送った返礼として1915年に送られてきたのが始まりです。別名をアメリカヤマボウシと呼ばれていますが、アメリカ原産で日本の近縁種のヤマボウシに似ていることから名づけられました。現在では街路樹や庭木として多く植えられています。アメリカではハナミズキの樹皮を煎じて犬のノミ退治に使ったことから、英語名ではドッグウッドと呼ばれています。
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 ハナミズキの4枚の大きな花びらは、花弁ではなく総苞(そうほう)です。総苞とは、小さな花の集まり全体を包んで保護している葉です。花のつぼみを保護しているがくと同じ働きをしています。ハナミズキの花は、総苞の中央部にたくさん集まった黄緑色をした部分です。小さいですが、1つずつの花には花弁4枚、雄しべ4本、雌しべ1本があります。秋には赤い実をつけ、葉も紅葉して美しいです。[花:2020年4月21日。田能通りで撮影]
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2020年05月03日

猪名の里の花々26.ナガミヒナゲシ〜道端に咲くポピー〜

 ケシ科ケシ属の1年草です。地中海沿岸が原産で、日本中に広く分布しています。4〜5月にオレンジ色の花をつけます。茎を切ると黄色または乳白色の乳液が出てきます。
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 一つの果実には約1,600粒の種子が内包されており、一個体は100個の果実を成すこともあるため、多い個体では15万粒の種子をつくります。種子の表面には凹凸があり未熟な状態でも発芽し、また、結実から5年を経たものでも発芽することができます。根と葉からは、アレロパシーという周りの他の植物の生育を強く阻害する成分を含んだ物質が生み出されます。特定外来植物には指定されていませんが、繁殖力が大きな植物です。[花:2020年4月15日。猪名川堤防で撮影]
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2020年04月28日

猪名の里の花々25.アケビ〜熟すと実が開く=開(あ)け実(み)〜

 アケビ科アケビ属のつる性の落葉低木の総称で、東アジア原産です。日本でも全国の山間部などにミツバアケビ、アケビ、ゴヨウアケビの3種類が自生しています。花は4〜5月に咲き、紫色の花を咲かせます。雌雄同株ですが、雌雄異花です。
アケビ雌花1.JPG  RIMG0020.JPG
 アケビの名の由来は、秋に6〜10cmほどの長い卵のような楕円形の果実がつき、熟すと縦に割れて白くて甘い果肉と黒い種子を覗かせる様子から、の意味で名付けられたものです。果実は厚い果皮と、中に種と共に白いゼリー状の果肉が入っていて、熟すと紫色になった果皮がぱっくりと割れて中の種が顔を出し、この時が食べごろとなります。古くから日本では食用にされていて、果皮も果肉もどちらも食べられます。春の新芽や未熟果も食べられ、東北の山菜として食卓に並んできました。[花:2013年4月9日。実:2014年10月10日。猪名川自然林で撮影]
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2020年04月24日

猪名の里の花々24.ヤエムグラ〜自分の茎だけでは立てない〜

 アカネ科ヤエムグラ属の越年草です。日本各地に分布し、東アジア・ヨーロッパ・アフリカにも分布する史前帰化植物の一つです。八重の名の通り、葉を一ヶ所から6〜8枚輪生します。道ばたや森林と畑の境目などなどに生育します。花は白色で小さく、めだちません。果実には荒い毛が生えており、動物の毛などにくっついて散布されます。
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 秋から芽生え始め、春になると急に背丈が高くなります。春になると次第に茎が伸びあがって葉と葉の間が広がり、葉は細長く被針形となります。茎には逆向きに小さな棘があり、セーターなどにはくっつきます。この棘があることによってお互いが寄り添いあい、他の植物にも寄り添って立ち上がっており、自らの茎で立ち上がることはできません。和名は何重にも重なって生えることからつきました。茎や葉の刺で、衣服にひっつくのできらわれます。[2020年4月19日。猪名川自然林で撮影]
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