2020年06月12日

猪名の里の花々30.センダン〜実を食べると食中毒をおこす〜

 センダン科センダン属の落葉高木です。世界の温帯に広く分布し、家具材として有名なマホガニーの仲間です。日本では伊豆半島以西の本州、四国、九州、沖縄に分布しますが、古くから暖地の各所に街路樹や庭木として植えられているので、天然分布区域は不明瞭です。成長が速く、ふつう高さ5〜10mですが、大きいものは高さ20m、直径80cmに達するものもあります。
DSCN0643.JPG  センダン2.JPG
 5〜6月に淡紫色の花を多数つけ、果実は10月頃黄色に熟しますが落葉後も木に長く残ります。果実の核は長楕円形で5〜6室からなり、各室に1個の種子がはいっています。種子でジュズを作っていました。「せんだんは双葉より芳し」という有名な言葉がありますが、これは白檀(ビャクダン)の中国名「栴檀」を「せんだん」と読んだもので、ここでいうセンダンとは異なります。センダンには白檀ほどの香りはありません。サポニンを多く含んでいるため、牛、羊、山羊、豚、犬、家禽と、ほとんどの家畜に中毒例があり、ヒトも食中毒をおこし量が多いと死亡することもあります。葉は肥料、殺虫剤や虫下しに用いられてきました。 [花:2020年5月19日。実:2011年11月1日。猪名川自然林で撮影]
posted by もりぞー at 08:59| Comment(0) | 猪名の里の花々
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